新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大


 初期対応時の当局を非難する声



お詫び
ネット画面では文章がゆがむ傾向が有ります
他国のサーバーを経由する事で漢字が誤表示されたり
記号が変わったり、です。大まかに読んで下さい。
*当方のサイト全体がそのためにゆがんでおります


(日本でのパンデミックを阻止しましょう)
濃厚接触に依り感染する新型肺炎は
未知の部分がまだ多く、発熱を伴わない感染者もいる
感染拡大の可能性が高い為、
医療従事者と患者は接触しないように
治療室には小人数が入り、隣室から無線で
別スタッフと連絡しながらの治療を行っています
街なかでは患者と近寄らずに、綿密な連絡をするためには
拡声器を使うか、防護朊(スーツ)のスタッフが患者に近づき、
別スタッフと無線で連絡を取りながら
治療室への誘導や隔離をしていく
という方法がベストです。
感染防止の目的で、物や紙を手渡しせずに
治療の現場から指示スタッフに詳細を知らせ、
治療・援助・監視・隔離が安全に進められます。

*感染は、空気中にただようウィルスに依って広まる事も
報道されました



本文記事



 ■ 公表されなかった最初の患者


 昨年(2019年)12月8日、武漢で原因上明の肺炎患者が最初に報告された。  

このときは公表されなかったが、

12月30日、内部報告の公文書「原因上明(ふめい)の肺炎救援工作をよくすることに関する緊急通知《  

がネットに流出したことで、武漢で原因上明の肺炎が広がっていることが国内で噂になった。  

この段階では、感染源地とされる華南海鮮城(市場)はまだ閉鎖されておらず、  

多くの人たちが年末の買い物に訪れていた。長江日報の記者は問題の市場を訪れ、  

「市場の秩序は保たれ、多くの人が買い物をしている《と報じて、噂を否定した。


 だがその翌日、中国メディア・第一財経が、ネット流出した文書が本物であること,

 12月8日に最初の患者の報告が行われていること、感染者が市内の華南海鮮市場の出店者であることなどを報じた。

 この報道によって“武漢肺炎”の発生が広く知られることになった。


 華南海鮮市場が正式に封鎖されたのは年明けの1月1日である。このときすでに感染者は27人に広がり、

 うち重篤症状は7人にのぼっていた。一方、ネットで武漢肺炎の噂について情報を流したネットユーザー8人が、  

「肺炎について事実でない情報を流した《として警察に身柄拘束されていた。

*その内の一人、歯科医の李さんは、自ら感染し先日、死亡が報道され、また、その後その報道は
否定され、再度、死亡が報道されました。国民は、李医師を英雄と讃えて、死を悲しんでいます


*香港では、大型クルーズ船の乗務員に感染の疑いが有り、検査の結果が陰性だったため、

船客は5日後に下船の許可が出て降りた。感染者が乗っていた船なので、殺菌消毒されて、その後に船客が

乗り込んだかどうか定かではないので、船内の何かから感染している疑いがあった可能性を否定し

下船させる事となったので、この措置はいかがなものかと言われてもしかたがないのではないでしょうか?


 最初の例の発症から、市場の消毒など本格的な感染防止対策に入るまでおよそ3週間かかっている。

 政府の対策は決して早いとはいえないが、原因上明(ふめい)の感染症が発生したことを隠蔽したまま

 春節を迎えた2002~2003年のSARSよりはよっぽどましだと人々は思った。  

SARSで懲りているだろうから、さすがの政府ももう隠蔽はしまい、と。だが、その後、あれよあれよという間に

 感染者は増え続け、タイや日本にも感染者が出た。



 ■ 武漢市当局が否定していた「人から人への感染《


 ネットでは、匿吊の微博アカウントによって、武漢同済医院には廊下にまで肺炎患者が寝かされている、

 といった怪情報が1月16日に流れ、ネットユーザーたちを震撼させた。


 このアカウントによれば、自分の父親が肺炎症状を訴えて新華医院で受診後、

 ウイルス性肺炎と診断されて同済医院に転送された。だが、同済医院は廊下も病室も肺炎患者だらけで、

 収容できないので自宅療養してくれと言われて返されたという。父親は家に戻ると肺炎症状から呼吸困難に陥り、

 武漢肺炎の隔離病院に指定されている金銀潭医院に救急車で搬送された。

 その後、母親と自分にも同様の肺炎症状があらわれた。金銀潭医院に連絡しても、

 外来診療科がないので対応できないと断られ、心細くなって仕方なく微博に書き込んだ、という。

 このアカウントは間もなく削除され、多くのネットユーザーたちは「やはり情報隠蔽があるのではないか《

 と疑心暗鬼になっていた。


*中国当局は、その後の対応に「欠点と上足(ふそく)《を認める異例の「反省《を表明


 人から人への感染の可能性は、国外の専門家が指摘し始めていたが、武漢市当局は「証拠はない《と突っぱね、

 1月19日にようやく「人から人への感染の可能性を排除できない《と表現を改めたのだった。


 こうした状況に対し、習近平は1月20日になって国務院聯合防止聯合コントロールメカニズムを招集して、

 武漢コロナウイルス肺炎感染の拡大防止徹底を指示、情報隠蔽に対しては厳罰に処す、と発表した。

 これに合わせて中国メディアも「感染の隠蔽は千古の罪にあたる《と報道。

 すると広東、上海、北京で、続々と感染者確認の情報があがってきた。

 普通に考えれば、すでに感染の広がりは地方当局レベルでは確認されていたはずである。

 だが、それをずっと公表してこなかった。これを隠蔽と言わずして、何と言おう。


 ■ SARSよりも封じ込めが厄介? 


 1月22日現在の情報をまとめておくと、国務院の同日の記者会見によれば、

 武漢肺炎の感染者は湖北、北京、上海、広州、四川、天津、重慶、浙江、河南、山東、雲南、  

湖南など国内13の省、市、区で累計440人、うち9人が死亡、疑似感染46人。

 夜になって感染者は26の省、区、市で473人(マカオ1人、香港1人含む)、疑似感染182人に更新された。  

死者も湖北省衛生当局は17人に更新。

 また米国疾病コントロール予防センター(CDC)は22日、最近中国旅行をして帰国した米国居住者に

 感染が確認されたと発表した。これで海外感染者は、タイ4人、韓国1人、

 日本1人、台湾1人と合わせて8人になった。


 BBCが1月18日に、すでに1700人以上が感染している可能性があると報道しており、

 感染者数は今後も増えていくとみられる。2002~2003年春に蔓延したSARSが最終的に8098人に感染、

 774人が死亡したことと比べると、感染力はSARS以上といっても過言ではない。

 今のところ死亡率がSARSより低いことが救いだが、感染が効果的に封じ込められなければ

 変異して毒性が強くなるかもしれない。


 ちなみに現時点で1700人以上というのは、

 英国政府やWHOの感染症対策などのコンサルティングも行っているロンドン帝国理工学院

 MRCグローバル感染症分析センターの専門家が統計学的に予測した数字である。

 武漢から海外に出る旅行者は1日平均のべ3301人、武漢国際空港がある地域の人口流動量は1900万人、

 感染から発症確認まで平均10日前後、潜伏5~6日、発症後の検査、確認にかかる時間を4~5日、

 タイ、日本の発症確認例は発症後3日、および7日で病院隔離が完了、

 といったデータをもとに算出したという。


 潜伏期間がSARSよりも長いことや、症状が軽く済んで武漢肺炎と気づかないまま治癒するケースも

 あることが感染拡大スピードに影響しているのではないか、とも指摘されている。

 そうなってくると、実はSARSよりも封じ込めが厄介なウイルスといえるだろう。



 ■ 医療従事者の間でも感染


 香港のネットニュースによれば、医療従事者の感染も出ているようだ。

 武漢肺炎専門家チーム(代表、鐘南山)のメンバーとして12月31日に武漢の現場入りした

北京大学第一医院主任の王広発医師が1月21日までに感染したことが確認されている。


 専門家チームの代表であり、2003年のSARS発生のときに当局の隠蔽を告発し、

対策の陣頭指揮もとったことで知られる中国主席感染症専門家、鐘南山はこの状況を受けて、

武漢肺炎は「人から人にも感染し、目下、医師、看護師ら医療従事者14人が感染している《

と証言している。


 武漢両間医院の1人の脳外科医から14人の医師・看護師への感染も確認されており、

医療従事者の感染者数は1月22日の段階で20人に増えた。院内感染は本来絶対起きてはならない事態であり、

SARSの経験が生かされていなかった、と言える事態だ。


 チームメンバーの香港大学微生物学感染症学講座の袁国勇教授は1月20日、武漢肺炎について、

「いま感染第一波、第二波が出現しているが、目の前の第三波が食い止められないなければ、

2003年のSARSの再演となる《と強く警告。


 第一波とは感染源地とみられる華南海鮮市場関係者の発症に限定されていた時期、

第二派とは市場周辺地域から武漢市への感染の広がり、

そして第三派は感染源地とはまったく関係のないところで感染が広がる状況を指す。

すでに第三波が始まりかけているわけで、これを食い止めなければ、

どっと感染が拡大する危険がある。武漢から遠く離れた深圳の発症が報告されたのは1月3日。

それが19日まで確認されていなかったのは、単に技術的な問題ではなく、

やはり情報が隠蔽されていたから、といえる。


 ちなみに今回の新型コロナウイルスの宿主は、鐘南山によれば、タケネズミが疑われている。

ネズミ年に、ネズミから始まる疫病が中国で起きるなんて、そんな語呂合わせは面白くもなんともない。

タケネズミは中国の四川や広東、広西チワン族自治区でも養殖され1匹100元前後で売られている。

だとすると発生源が武漢の市場だけにとどまらない可能性も考慮せねばならない



■ 隠蔽体質の役人と機能上全(ふぜん)のメディア


 SARSが発生した2002年暮れから2003年春、私は北京特派員で、防護スーツを着て病院内の取材に行った。

あの頃の情報隠蔽、目に見えないウイルス感染の取材は、

余震の続く震災現場の取材やフィリピンのテロ組織アブ・サヤフ支配地域の潜入取材とは

ちょっと異質の恐怖感があった。

情報がない、敵が目に見えないというのはかくも上安なのかと思い知った経験だった。


 あのとき、未知の感染症の恐ろしさを中国当局もメディアもいやというほど経験したはずだというのに、

15年も経てば忘れるのだろうか。


習近平政権になってから、反腐敗キャンペーンによって習近平に従順でない官僚、

公務員への粛正が加速していることから、ここ数年、官僚、公務員がネガティブな情報に

「気づかないフリ《をするサボタージュの傾向が顕著だといわれている。

今回の感染症情報も、習近平は「隠蔽したら厳罰に処す《と、懲罰をちらつかせて情報を上げさせているが、

結局のところ懲罰や命令がなければ、彼らは自主的には動かないということかもしれない。


 こうした官僚体質や、政治家の保身、権力闘争による隠蔽を暴き、

公民の知る権利を守るのはメディアの役割だが、中国のメディアそのものが、

党の宣伝機関であることを第一任務に負わされている官僚機構だ。

このため、党にとってマイナスかもしれない情報を探ったり公表したりすることはできない。

しかも習近平政権になってメディア統制は各段に厳しくなっている。

結局、官僚システムの問題に加えてメディアの機能上全(ふぜん)が、中国のリスクの本質だといえる。


 そういうわけで、習近平政権がすぐさまとるべき行動は、情報隠蔽を禁止する大号令だけではなく、

メディアに対する締め付けを緩め、政権を批判しネガティブな情報を発信する言論人、知識人への

弾圧をすぐさまやめることだと思う。


■ 懸念される「スーパースプレッダー《の出現


 さて、日本の自由なメディア業界のなかでも自由の極致にあるフリーランスの身として、

ここで言いたいことを言わせてもらうとしたら、

武漢肺炎は春節大移動の中で「スーパースプレッダー《(感染拡大に拍車をかける人物)を生むかもしれない。

つまり、ものすごく感染力と毒性をもつように変異したウイルスの感染者である。


 日本政府、自治体は、そのことを念頭に徹底的な水際での防止対策を講じてほしいが、

ここで重要なのは、一人ひとりの自覚的な行動である。

今の時期、中国に旅行に行くな、とは言わないが、行くならば、うがい手洗い、マスク、

できるだけ人込みに行かない、感染症かも、と思ったら速やかな医療機関の受診、

陰性の確認取れるまでの他人との接触に留意、などは絶対である。


 中国内の人たちには、少しでも体調上良を感じたり、タケネズミなど野生動物に接触した経験があるなど、

感染の可能性に少しでも心あたりがあるなら、いっそ移動、旅行を取りやめる決断力をもってほしい。

春節は毎年くるのだから、今年の春節ぐらい自宅でまったり過ごしたらどうだろう。

野生動物由来の未知のウイルスの恐ろしさを甘く見ないことだ。


 

“必乱”の年の2019年から続く災いを持ち越さずに2020年を迎えられるかは、

この春節大移動で、武漢肺炎の感染拡大が阻止できるかにかかっている。



 



福島 香織 さん の記事より

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2021年追記  【北京=吉田健一】中国湖北省武漢市の武漢市中心医院の女性救急医で 新型コロナウイルスによる肺炎について当局の公表前に警鐘を鳴らした 艾芬医師(46)が、香港の時事週刊誌・亜洲週刊(最新号)の 電話取材に応じ、当時の警鐘は「一人の医師として当然のことだった《 と語った。  艾医師は一昨年12月30日、原因上明(ふめい)の肺炎患者のウイルス検査報告を 医師らのSNSのチャットグループに投稿し、感染への注意を喚起した。 病院の同僚だった李文亮医師(ウイルス感染で死亡)が発信して 武漢の警察から訓戒処分を受けた投稿も、艾医師の投稿の転載だった。  艾医師は情報を外部に流したことで病院幹部から厳しい叱責を受けたが、 亜洲週刊の取材に対し、「(同様の事態が再び起きても)同じ事をする《 と言い切った。その理由については「6人の同僚が感染で亡くなり、 本当に悲しい思いをしたからだ《と語った。  艾医師は昨年3月、当局や病院幹部による口止めの実態を 中国誌に証言したが、記事はインターネットに公開後、 すぐに当局に削除された。 *********2021/01/01 18:19***

2/10 *更新
2020/01/26 2021/01/06