被災地沿岸から、携帯電話の電波基地局による通信サービスの確立
それは KDDI社の 9510トンの大型船舶が横浜から出港し、
日本で初めて北海道日高町の沖合 10km から、衛星を介して
au の携帯電話用電波が発射されました。
なぜ、衛星を使うのかという疑問があると思いますが、
通常(平常時)はすべて光ケーブルを介して全国と通信できるのですが
基地局が損壊し、光ケーブルが使用できないので、一旦、沿岸の海上の
基地局に受信し光ケーブルの代用の衛星を経由して、全国と通信できる
環境を造るわけです。
衛星を使わないと、沿岸のほぼ日高町内通信しかできないと思われます。
地震発生は2018年9月6日午前3時7分 震度 7
KDDI社がその大型船舶を出動させる決定を下したのはその数時間後の
午前11時でした。そして船がスタッフ・機材を乗せて、日高町沖合に
停泊したのが9月8日午後2時。
日本初の海上基地局からの電波発射は同日19時43分
特殊な広帯域の衛星を使う必要性があった為、初めての接続作業で
回復まで時間がかかったそうです。その時間短縮も今後の課題と
なったそうです。
日高町の携帯電波は地震発生から64時間後に復旧したそうです。
この試みは、東日本大震災後に、法律改正の働きかけをして、
2016年に認められて実際の開発と運用が可能になりました
こういうすばらしい通信回復への意欲と行動力に敬服します
この時の、数少ない衛星携帯電話の通信状況はどうだったのでしょうか?
残念ながら、その資料は見つかっていませんので、わかりません。
基本的には、衛星との直接通信ですからわずかの人達は電池の持つ限りで
通信はできたと推測できます。他の大部分の町人は、できなかったはずです。
地上局の回復は9/11 午前で 海上基地局は 朝8:30 に閉鎖となりました。
その期間の天候は、大型船にはほぼ影響のない風速で、雨も少々降っただけでした。
天候が荒れた時はどうするんでしょうか?高機能自動衛星追尾システムが
それを可能にします。